中世の村チェリアーナ
2010年 10月 09日典型的なリヴィエラ地方の鷲ノ巣村の姿ですが、意外に規模が大きく、しかもかなり山奥にある割には今なお住人の多い活気のある村でした。それもその筈、チェリアーナはリグーリア地方のオリーブ街道の一画にあり、この村は日本でも知られるオリーブオイルのブランド:クレスピの本拠地だったのですね。
直木賞作家:坂東眞砂子氏の「聖アントニオの舌」に 《鞭打ち苦行の儀式が行われるチェリアーナ》が紹介されているようですが、それはこのチェリアーナ村のことなのでしょうか?
この村の人たちはとても信心深く、中世からなんと21もの教会を建立して来たそうです。中でも12世紀に建てられたサンピエールとポール教会は、国の文化財に指定されています。
今や村の主要な産業はオリーブオイルと花の装飾品。サンレモに近いだけあって、音楽祭も開かれる明るく穏やかな村は、フランス側のコートダジュールの鷲ノ巣村が観光化されがちなのと対照的に、住民が日常生活を送っている点が魅力的です。 細い道に次々現れるカーブを上り詰める割には、ちゃんとバスも通っているし、学校も近いので、子供たちも生き生き遊んでいるし、村人が親切なので住みやすいと聞きました。
ロス・アンジェルスからチェリアーナに移り住んだというアメリカ人のカップルにたまたま出会ったので、村での生活を聞くと、とても満足しているとか。なるほど年を取ったら、こういう村で引退生活を送るのも悪くないかも。と思って何気に不動産広告を見たら、小さい家のお値段は450万円から。確かにニース辺りよりははるかに安いけど、まあイタリア語ができればねえ。