リヴィエラの至宝アラッシオ
2010年 11月 02日オリーブの実も、この嵐でいっきにたたき落とされてしまった感じ。
万聖節はお彼岸のようなもので、本来ならシクラメンか菊の鉢を抱えて先祖のお墓参りに行く日なのに、この雨ではお墓参りも容易ではないでしょう。まあ、クリスマス前の最後のヴァカンスとあって、今やお墓参りに出かける人よりも、旅行に出かける人の方が多いけれど、燃料所のストは終わったとは言え、まだガソリンが足りないスタンドもあるのだから、ドライバーも大変ですね。
さて、インペリアの向こうに愛の伝説が伝わる美しい街があるというので、電車で出かけて来ました。数あるイタリアンリヴィエラの浜辺の中でも際立って細かくきれいな白砂を誇るリゾート地アラッシオ。延々と続く長い白浜と海に沿った旧市街が特徴の歴史あるシックな街で、10月末でも海辺で水浴びをする家族連れで賑わっていました。
10世紀、神聖ローマ帝国の初代皇帝でドイツ皇帝でもあったオットー1世の姫君アデラッシアが、父王の召使いアレラーモと恋に落ちたものの、身分違いの恋愛にオットー1世は猛反対。やむなく若い恋人達はこの地方まで駆け落ちします。子供をもうけ、幸せに暮らしていた姫を見つけた父王は、やがて二人を許し、彼らが居を構えたこの街はプリンセスとその夫の名前にちなんでアラッシオと呼ばれるようになったとか。
アラッシオ駅に向かい合った公園の壁には、角にある古いカフェバーに通った芸術家やスターを記念して焼かれたタイルがはめ込まれていて、アーティストの壁と呼ばれ、この街の名所の1つとなっています。
旧市街の古い町並みは隣のアルベンガと似ているけれど、より洗練されていて、小粒。けれどいかにも高級なリゾート地という雰囲気です。アルベンガとの境に辺りに、ぽっかり浮かぶ可愛い島は、鳥の島と呼ばれ、かつては野生の鶏が住んでいたとか。今の主な住民はカモメだそうです。中世にはカンヌ沖のレランス島のように修道院が建てられ、ベネディクト派の修道士で賑わっていましたが、今や修道院は消えてしまい、島は個人の所有物に。島自体、売りに出ているとい噂も。夏の間のみ、島の周囲を巡る船が出ているそうです。