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グラースの香水

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 香水の町で有名なグラースは、ミモザ街道の終着点。今まではカンヌとニースからのバス便が中心でしたが、3月にSNCF(国鉄)の駅が再開通し、電車でも行けるようになりました。古くからジャスミンやバラ、スミレなど様々な花が栽培され、18世紀や19世紀には香水の町として華やかな文化が培われたようです。今でも多くの地元出身の調香師を輩出しています。調香師になるにはグラースとベルサイユにある専門学校で、10年以上の勉強と訓練が必要で、しかも調香の才能は後天的には育たないとか。天性の香りをかぎ分ける才能を持ち、10年に渡る勉強に耐え抜いた人材のみがプロの調香師として活躍できるなんて、やっぱり大変な世界。血は争えないというか、フランスには圧倒的にグラース出身の調香師が多いのだそうです。かのフラゴナール社でさえお抱えの調香師は一人だけで、フラゴナールとしてはそれで充分満足と言ってました。
 香水用の花の栽培が主産業だったグラースも、今はアフリカなどからの安価な輸入花に押され、古き良き時代のように花が咲き乱れる町ではなくなっています。それでも美術館や大聖堂を初め、旧市街には往年の面影が残っているので、静かな日曜の午後など半日の散策には持って来いかも知れません。
by cheznono | 2005-04-14 21:44 | プロヴァンス賛歌