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帽子とフランス人

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 フランス人は帽子が嫌い?と思うくらい、真夏の暑い陽射しの下でも帽子姿の女性を見かけるのはまれ。確かにコートダジュールの有閑マダム達はおしゃれな帽子を愛用している人が結構いますが、プロヴァンス地方やその他の南仏で太陽が痛いほどなのにどうして皆んな帽子をかぶらないのでしょう?逆に「なんで日本人は帽子が好きなの?」とか「TVで日傘の波がぞろぞろ歩く日本の街が写ったけど?」と不思議そうに聞かれることもしばしば。
 去年まで私はスナフキンのような麦わら帽子をかぶっていて、日本人の友達には恥ずかしいと不評でした。でも小さな花が点々とついた帽子はフランス人や他の国の人には評判も上々でほめてくれるのは良いけれど、「でもどうして帽子かぶっているの?」って不思議そうに聞かれるので変な気分がしたものです。「どうしてって日光アレルギーがあるし、第一こんなに暑いじゃない。」って答えると、「ふーん?」と何言ってるのこれくらいの陽射しでと言いたげなのはフランス人やラテン系の人。「そうそう、もう歳だから日焼けは良くないよね。」と同調してくれるのはアメリカ人や東欧の人。まあね、中高年のマダムでも自分ちの庭ですっぽんぽんになって日光浴をしてるようなフランス人に私の気持はわからないわよね、と心の中でぶつぶつ言ってたものです。
 こんなフランスでも戦前までは女性は帽子をかぶらずに外出できなかったのだとか。帽子無しで歩くのはいわゆるプロの女性のみ。それくらい帽子は、身分の高い低いに関係なく女性に欠かせない身だしなみだったそうです。なるほど、その反動で古いしきたりから解放された女性達は帽子を捨て、老いも若きもできる限り肌を見せて炎天下を歩くようになったのね。と納得してたら、去年の夏、暑い日盛りにバスを待っている間にちょっこと置いた愛用の麦わらを盗られてしまい、その後何日も落込むはめとなってしまいました。
by cheznono | 2005-06-22 18:11 | 不思議の国フランス