人気ブログランキング | 話題のタグを見る

夏のアビニョンでの暮し方

夏のアビニョンでの暮し方_b0041912_2354069.jpg
 7月は演劇祭で街中が大いに盛り上がるアビニョン。2005年の開催は今日27日に幕を閉じますが、この期間はアビニョン中がにわか劇場と化し、世界中から集まる演劇人や観光客でものすごく活気付きます。従ってホテルは値段も高くなる上に予約でいっぱい。何しろ7月中ずっと滞在する各国の芝居関係の人々だけでも大変な人数なので、芝居を観に集まって来た観客達も泊まる所を確保するのが大変です。そしてもちろん、演劇祭の期間に外から来た人たちがこの町に落とすお金はアビニョワ(アビニョン市民)のだいじな収入源となっています。
 7月8月はヴァカンスでぐっと市民の減るパリでもよく行われているアパルトマンの短期貸し。自分達がヴァカンスでいない間、住居を短期滞在者に貸すと結構な収入になるのです。日本の転勤者向けの東急リロケーションのような大げさな賃貸ではなく、ごく気軽に自分のアパルトマンを1~2ヶ月、結構見ず知らずの他人に貸すという便利な習慣には感心さえしてしまいます。特に宿泊先が足りなくなるアビニョンの演劇祭の期間はもう圧倒的に貸し手市場。市内に家を買った知人の若いカップルは、毎年7月初めにタンス丸ごとの大荷物を郊外の両親の家に運び込みます。自分達の家を1ヶ月、演劇人やヴァカンス客に貸して臨時収入を得るため、引越しのように家財道具を実家に移動するわけですが、そのエネルギーには驚かされるばかり。とりあえず必要な物を荷造りするのもめんどくさいと思ってしまう私には、彼らの手際の良さは目を見張るよう。しかもたいていの場合、不動産屋を通さずに借り手と直接交渉の上でのテキトーな短期賃貸契約だから、1~2ヶ月とはいえだいじな我が家をきれいに使ってくれるかどうか、タバコの消し忘れはないだろうか、なんていう細かい不安は尽きないと思うのに、いとも簡単に自宅を貸し渡す姿には不思議ないさぎ良さを感じてしまうのです。
by cheznono | 2005-07-28 01:01 | プロヴァンス賛歌