ソスペルの大聖堂
2005年 09月 05日ニースからの塩の道の通過点で、商人達がベヴェラ川にかかる石橋を渡る際に通行税を取ることで潤っていたソスペル。塔付きの石橋を渡ると、噴水や家壁に描かれたトロンプ・ロイユ(だまし絵)の楽しい、でもちょっとひなびた町並みが現れます。町の反対側にはニース伯爵領の中でも2番目に大きいサン・ミッシェル大聖堂がかつてのソスペルの栄光を今に伝えています。
18世紀に建てられたバロック様式の聖堂の前の広場に立った時は、その威風堂々とした姿に圧倒されてしまいました。右後ろに見えるのは12世紀に造られたロマネスク様式の教会の鐘楼で、この鐘楼だけが遺跡として残っていた教会跡地にサン・ミッシェル大聖堂を建設したそうです。イタリアの影響が強いこの地方はマントンの美しいバロック様式の聖堂が有名ですが、ソスペルの大聖堂は100年以上前に改修工事をしたのみという様相で外壁の色もあせたまま、この町にはふるさと再生の援助は出なかったのかなという感じ。でも、そこが人間味や生活感をにじませていて、よけいにソスペルを印象深いものにしているのかも知れません。