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ジャン・ジオノの思い出

ジャン・ジオノの思い出_b0041912_205658.jpg 昨日はプロヴァンスとラベンダーをこよなく愛した作家ジャン・ジオノの娘さんの講演を聴きました。今もマノスクの家族の家に住んでいるシルヴィー・ジオノさんは70歳過ぎのとてもきれいな女性で、毎日かいでいるジャスミンの香りのようにお父さんの思い出が身近にあると生き生きと語る姿が印象的でした。
 20世紀で最も評価されているプロヴァンス作家の一人というのに日本で紹介されているジオノの作品は少なくて残念です。子供向けの物語「木を植えた男」や映画「プロヴァンスの恋」の原作者で、エクスの近くの趣きのある町マノスクで生涯を送った作家ジャン・ジオノ。娘さんによると本人も作品同様にとてもストイックで真面目な静かな人だったそうです。
 マリュセル・パニョルとはよくけんかしながらも仲良しだったジオノは、映画の脚本「河は呼んでいる」でモナコ賞を受けた時、モナコでレーニエ公にお目見えするのに黒い礼服でと指定されたのに「黒服なんて持ってないし、賞のために買う気もない」と言ってたジオノが、実際にはきちんと黒いスーツで受賞の写真に写っていて、写真の裏には「パニョルの礼服のお陰で」って書いてあったという微笑ましいエピソードも。パリのアカデミー・フランセーズに入っていたパニョルはちゃんと礼服を持っていたんですね。がんばってもっとジオノの作品を読まなくちゃと思った心地よい講演でした。 写真は「プロヴァンスの恋」(原作:屋根の上の軽奇兵)から。
by cheznono | 2005-12-07 03:10 | プロヴァンス賛歌