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ニースの画廊めぐり

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 19世紀から多くの画家たちに愛されたコートダジュールでは、画廊やアトリエをあちこちで見かけますね。どちらかというと鷲ノ巣村に連なる画廊の印象が強いですが、ニースも裏道に入ると小さいギャラリーが点在しています。
 せっかくだから、ちょっと覗いて見たいけれど、展覧会をやっているわけでもないのに冷やかしで入るには気が引けて、ウィンドウからちらっと中を見るだけで通り過ぎてしまう画廊たち。特に絵を買いたいという目的もない私でも、ブティックのように気軽に画廊の絵を見ることができたら良いのに、って思っていたところ、ニースでは初夏の催しに「ギャラリーの夕べ」というのがあると聞いたので、去年の6月、友達と行って見ることにしました。 
 「ギャラリーの夕べ」は、ニースの各画廊やアトリエが参加して、いっせいにギャラリーを一般開放する催しで、どの画廊も交流のあるアーティストを迎え、通りすがりの誰もが気軽に作品を鑑賞できるようにもてなします。
 ユニークなのは、夜の7時半から、市内のアートギャラリーをめぐるプティトラン:道路を走る白いミニ機関車を走らせること。普段は旅行客を乗せて旧市街から城の丘まで、名所を回る観光用のプティトランですが、この夜は無料で画廊を回ってくれるのです。乗客は画廊の多い地域で降りて、この催しに参加しているギャラリーを好きなだけ見て回ることができるという粋な企画で、作品を鑑賞しながら、オーナーやアーティストと語り合うことができます。
 私達がまず訪ねたのは、友達が彫刻を習っている画廊で、この日はチョコレートの塊を彫刻するというイベントを企画していました。我こそはと思う人は誰でも挑戦できるのですが、チョコを刻んで像にするのはなかなか難しそうで、先生の他に挑戦者は2人位しかいませんでした。なんと、先生や挑戦者が削ったチョコのかけらは、来訪者の食べ放題。この日完成したチョコ像は、その後ニースで人気のチョコレート屋さんで展示されたそうです。
 年に一度のギャラリーの夜。普段は入りにくい画廊が、ぐっと身近なものに感じられる良いきっかけになることは間違いありません。コートダジュールお得意のシュールな現代画は今ひとつピンと来ない私ですが、ジャスミンの香る中、すごろくのように画廊を見て回ったことは、とても興味深い体験となりました。
by cheznono | 2007-07-10 01:48 | いつもの暮らし