フランス流節約術
2008年 12月 05日でも、今年は急騰した小麦粉のせいでバゲットを初め市販のパンが値上がりしたため、食べ盛りの子供がいる家庭などでは毎日のパン出費がばかにならなくなり、ならば自家製パンを作ろうと50ユーロ(約6000円)位のパン焼き器が飛ぶように売れたそうです。
深夜は電気代が昼間の半額になるフランス。夜寝る前に、パン焼き器に小麦粉とイースト菌を入れて、お好みのパンのボタンを押すだけ、朝にはできたてのパンが待っています。ニースの海岸近くにある私のお気に入りのパン屋さんで買うオリーブパンやくるみパンは、300gで1,70〜2ユーロ。この予算で小麦粉約2キロが買えるから、自宅で手作りパンを食べる方が確かに安上がり。
パン用の強力粉は「もちろん全粒粉でもそば粉でもライ麦粉でもひよこ豆の粉でもすぐ手に入るし、レーズンやイチジクなどドライフルーツやオリーブの実を混ぜれば、健康対策もばっちりだよ」と言われて心が動いた私、早速ホームベーカリーを調べてみたけれど、日本のパン焼き器だとフランスの数倍の予算が必要で、それだけ機械の構造が複雑そう(さすがテクノロジーの日本)だし、全粒粉など身体に良さそうな原料も、近所のスーパーでキロ単位で手に入るというわけには行かないようです。
今年上半期で既に3万を越すカフェやレストランが消えて行ったというフランス。観光客がレストランを敬遠して、パンを買う傾向が強まったというニュースが流れたのは、夏の終わりでした。10月の金融危機が予想以上に暗い影を落とす中、今度はパン屋さんも減ってしまうのでは?とちょっと複雑な気持ちにさせられる自家製パンブームです。